海外在住者の相続
両親
私の両親は70代後半。何年か前から、私も日本の家族と”もしもの時”の場合にどうするかを話すようになりました。できれば、想像したくはないですが、必ず訪れる現実に目を背けるのは子供じみているから。
このことは、スペインで暮らすと決めた時から覚悟していたことです。悲しいことだけど、思うように両親のそばに付き添うことはできないし、最期の瞬間にさえ立ち会うこともままならないでしょう。
日本にいる姉たちに全てを任せることしかできません。それなら、せめて私は足手まといにはなりたくなかったのです。”もしもの時” 私の相続権について話すことも何度かありました。
相続手続き
普通なら、印鑑証明があれば大丈夫とのことですが、それは日本に住んでいる場合。
本当なら、去年、日本に帰国する時に確認したかったのですが、コロナのため帰れませんでした。
自粛生活中、時間があったので少し調べてみました。
無知な私は印鑑証明の取得の仕方さえ知らなかったのです。
まずは印鑑登録
- 住民登録してある市町村で登録できる (この時点で、住民登録していない私はX)
印鑑登録できないのなら、印鑑証明ももちろん無理。
さあ、どうしましょう。 スペイン、マドリードにある領事館に相談してみました。
私の質問内容は事前に私の相続権をスペインにいながら放棄するにはどんな書類が必要になるのか?でした。
残念ながら、事前に相続放棄をすることはできないと言われました。(スペインにいながら)
では、両親健在のうちは何もできないか?という質問
死亡してからでないと何もできないと言われました。税理士、司法書士、それぞれ書類が相続する物件によって変わってくるためとのことでした。
そして、”もしもの時”がやってきたら、日本から送られてきた書類に私がサインするためにはマドリードにある領事館まで行って、担当者の方の目の前でサインをし、それを証明する書類と一緒に日本へ送り返すというながれ。
遺言状
領事館の担当者の方によると、相続手続きでは毎回違った書類が送られてくるので、相当、大変だということです。
これを聞いて、私は少し不安になり、何よりも日本の家族に私のために迷惑をかけたくないので、姉に相談しました。
姉も想像していたよりも大変なことに気づき、無料弁護士相談会や公証人役場に問い合わせたところ、一番良い方法は両親が遺言状を作って私を法定相続人から外せばいいということになりました。
幸いに、とても親切な公証人の方にお願いすることができたのでよかったと姉が言っていました。
少しでも法律を知っている方ならこんなこと当然だと思われるかもしれませんが、何しろ無知なもので、それに遺言状を作成するなんてお金持ちだけがすることだと思っていました。
* 私の場合は相続権を放棄したかったので、このような手続きになりましたが、ご両親にたくさんの不動産、その他の資産がある方や一人っ子の方は事前に住んでいる国の領事館などに問い合わせすることをお勧めします。相続税の払い方も日本に住んでいる方とは異なってくると思うので。
日本で姉が行った手続きは姉から聞いた話なので、事実と少しずれがある可能性もあります。また、各家族の事情、状況によって変わってくると思います。今回、ここに書いたことは私の家族の場合であり、もし何かの参考になれば良いと思い書かせてもらいました。誤解や不愉快なことがありましたら、申し訳ありません。お許しください。*
今回、バカ娘が海外に住んでいるため、両親に遺言状を作成させることになりましたが、(それなりの金額だそうです)これで少し気が楽になりました。
両親がいなくなった時のことを想像するのは辛く、胸が痛みますが、姉に迷惑をかけるのも申し訳ない。
姉は本当に世話好きで人のためにクタクタになるまで頑張る人です。今までもたくさん迷惑をかけてきたのにいつもニコニコ。本当に素晴らしい姉です。
血のつながった姉妹とは思えないほど私とは正反対の人です。
これまでに十分すぎるほど両親には経済的にも助けてもらったので、後継ぎの姉が全て相続してくれて嬉しいです。
それに ”相続” っていいことばかりでもありませんから。